国税庁ホームページにて2020年1月15日からチャットボットの試行運用が行われています(導入期間は2020年3月末までの予定でしたが、新型コロナウィルスの影響もあり、5月31日まで延長になっています)。

 

チャットボットってなに?

「チャットボットとは、「チャット」と「ロボット」を組み合わせ言葉で、利用者の知りたい情報について、ボタンから選択するか、テキストで入力すると、AIを活用して自動で解答を表示するシステムをいいます。チャットボットの導入により、税に関する疑問について、電話での相談に比べてより気軽に質問をしたり、国税庁ホームページに掲載している税の情報により短時間でアクセスしたりすることができます。(国税庁HPより抜粋)」

https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/campaign/r2/Jan/05.htm

 

 相談範囲は、「医療費控除」や「住宅ローン控除」など納税者からの質問が多い基本的事項に限られますが、PCやスマートフォンで利用可能であるため、電話では対応不可な早朝や夜間の時間帯も活用することが可能です。

 上記のチャットボットをはじめとして、国税庁においては「納税者の利便性の向上」と「課税・徴収の効率化・高度化」を2本柱とする税務行政のスマート化を目指すことを掲げています。

 大企業においては2020年4月1日以降に開始する事業年度においては電子申告が義務化されます。個人においても2020年分の確定申告(2021年3月に申告するもの)については電子申告を行う場合と行わない場合とでは青色申告特別控除額に10万円の違いがでます(電子申告をした場合は、65万円控除の適用。しない場合は55万円控除の適用となる。電子申告に代えて電子帳簿保存を行うことでも適用可)。平成30年度の所得税の確定申告のうち電子申告の割合は約70%ほどであり、今後この割合はますます増加していくものと思われます。電子申告はマイナンバーカード等とカードリーダーを利用して行うことが通常ですが、税務署の職員と対面による本人確認後に発行されるID・パスワードを利用すれば上記のカードリーダー等がなくてもe-Taxでの電子申告が可能です。また2020年10月以降からICTによる年末調整の簡素化に向けて、国税庁HPで「年末調整控除申告書作成用ソフトウェア」が無料で提供される予定です。従業員の皆様に毎年手書きで記載して頂いております年末調整の用紙作成負担が軽減されるものと期待されます。

 幣社でも、お客様の負担を軽減すべく電子申告、電子納税を推進しております。今後もICT化の伴う国税の動向を注視していきたいと思います。

文責:葛西健吾